データの削除と初期化リカバリーは違う

詳細な解説

パソコンユーザーのよくある勘違いに「データの削除」と「初期化リカバリー」は同じだと勘違いしているユーザーが多くいます。

「初期化」と「リカバリー」は厳密に云えばまた違いますが、まず「データの削除」と「初期化リカバリー」は違うものだという認識が必要です。

というのも、「データの削除」をしても、データ復旧は可能であり、「初期化リカバリー」しても、データはすべて元の状態で復旧は可能だという誤ったユーザーの認識や情報が溢れているためです。また誤った認識のままパソコントラブルが発生した場合、さらに間違った対応を続けてしまい、最悪、弊社にスグにご依頼いただければ、復旧できた可能性が高いHDDなどが数多くご依頼があったからです

まずは、「データの削除」と「初期化リカバリー」のそれぞれについて正しい認識が必要です。

「データの削除」とは

「データの削除」とは、WindowsOSやユーザーアカウントは変更せずに、フォルダ毎、ファイル毎、ゴミ箱に捨ててしまい、その上、「ゴミ箱」を空にしてしまう一連の作業を指します。

但し、ゴミ箱を経由せずに完全削除の設定にすることも可能です。

完全削除
この「完全削除の設定」にした場合、これまでは、ごみ箱経由でデータを削除していたパソコンでもごみ箱を経由せずに、スグに完全削除されてしまうので注意が必要です。

削除と同時にファイルを消去する

似たような状況に、データが大量に入っているフォルダを削除しよとしたところ、「ゴミ箱のサイズに対してデータが大きすぎます」と完全削除への移行を確認するメッセージが表示されます。

このデータはゴミ箱のサイズに対して大きすぎて入りません

「はい」をクリックすると、ゴミ箱には一時保管されずに、完全削除コースに進みます。

また、ネットワーク上にあるデータファイルやフォルダの場合、完全削除できない設定になっているケースが一般的です。管理者権限のないクライアントユーザーでは、ごみ箱へ移動の選択ができない状態になっているのです。

ごみ箱経由にしない完全削除のデメリットは仕事で使っていたり、オリジナルデータを保管しているパソコンで安易にファイルを削除できなくなることです。一瞬で消えてしまうため、間違ったと思っても、データにアクセスできなくなります。

そのため日常業務でパソコンを使用しているユーザーの場合、完全削除設定はメリットよりもデメリットの方が大きいと思われます。

一方、完全削除設定のメリットとしては、大量のデータ削除をしなければならなくなった際に、一気にデータ削除が可能というメリットがあります。

「データの削除」の意味

「データの削除」とは、本で例えると、目次を消す作業になります。
目次が消えることで、大量にあるデータの中から、検索やアクセスが出来なくなります。

目次だけを消す作業となるため、データファイル自体は存在します。
アクセス経路だけが消失するため、個別データの情報は残ったままです。

では、いつまで経っても削除したデータが残っているのかといえば、ほとんどのケースで時間の経過とともに別データで上書きされ、破損します

目次から消されたデータ領域は、例えデータが存在しても、パソコンのOS側から存在しないという扱いになります。このような空いた領域には、新しいデータを保存しても問題ないと、ユーザーから許可を得た領域とOS側は認識します。

そのため、ユーザー自身が、ワードやエクセルなどのアプリケーションプログラムで新しいデータを作成していなくても、その領域はOS側に利用されます。

例えば、インターネットでブラウザーを使い、ネットサーフィンするだけでも、キャッシュという一時保存データが作成されます。いわゆる閲覧履歴です。

「データの削除」を実行した日時とデータファイル数

ユーザー自身が、データを作成していなくても、パソコンは利用者側が気が付かない領域を使用しているのです。

そのため、「データの削除」を実行した日時と、パソコンの利用履歴を必ず、データ復旧会社としては確認します。

通常、「データの削除」を実行してから1、2週間以上経過している場合、データ復旧会社でも、調査復旧が困難であるという理由で断ります。特に削除したファイル数が少ないのに、HDDやSSDの容量が2TB以上と大きい場合、調査時間と結果が比例することがないため、人件費やコストだけがかかってしまうためです。

ファイル数が少ないとは、おおよそ100ファイル以下を目安に考えて良いでしょう。

「データの削除」と時間経過

データの削除を含む、消失トラブルで一番問題になるのは、削除や消失からどの程度、時間が経過しているのかです

スマートフォンなどが普及し、普段、パソコンをほとんど使わない・・・。一年に一回、年賀状の住所録を呼び出す程度。または決算時期に、まとめて会計データを入力しているなど、日常的にパソコンを利用していない場合、データがいつ消失したのか、ユーザー自身が分からないケースがあります。

このようなトラブルを防ぐのに役立つのが、ファイルのリスト化です。

パソコン全体では、システムファイルやプログラムファイルも存在するため、ファイルのリスト化を実施していても、意味があまりありませんが、フォルダを指定し、「デスクトップ」や「マイドキュメント」などに大量のデータがある場合、定期的にファイルのリスト化を実行していれば、どの時点でデータを削除したのか、または消失したのか、把握しやすくなります。

尚、「データの削除」を実行してからパソコンを利用していない、またはほとんど利用していなければ、復旧できる可能性は充分にあります。

ですが、問題なのは、利用者が「データの削除」をしたつもりがないのに、「データ消失トラブル」がパソコンを使っている発生するケースがあることです

「データの削除」をしたつもりがないのに「データ消失トラブル」が発生する!?

データ消失トラブルが発生

「データの削除」とは、通常、パソコン利用者本人が、意思をもって作業することを指します。または、別の利用者がパソコンを使用し、間違って「データを削除」してしまうケースもあります。

企業法人のパソコンで、複数の利用者が同じパソコンを使っているケースは少ないですが、個人家庭では、まだまだ家族全員で1台のパソコンを使っているケースが良くあります。

このような1台のパソコンで複数の利用者がいる場合、間違いや意識もせずに「データの削除」を実行してしまって家庭内トラブルに発展することがあります

但し、家庭内トラブルになる前に、知っておいて欲しいのは、「データ消失トラブル」は、間違いや意識もせずに「データの削除」を実行してしまっているケースだけで発生するものではないということです。

誰も、誤ってデータを削除していないのに、データが消えてしまうので、責任のなすりつけ合いや、責任追及トラブルになるのですが、データは誰も気が付かないところで、密かに消失するケースがあるのです。

「チェックディスク」と「セクター不良」には要注意

その代表的な例が、「チェックディスク」です。古くは「スキャンディスク」と呼ばれていました。

パソコン起動時に、モニター画面を誰もみていないと、一定時間経過後に自動で「チェックディスク」が開始され、終了し、通常のデスクトップ画面になったところで、ユーザーが戻ってくると、いつのまにかデータが消失しているという事態になります。

このようなケースでは、前日に使用していた利用者や普段あまり使っていない利用者が、誤ってデータを削除をしたと疑われます。

さらには、「チェックディスク」以外にも、データ消失トラブルは発生します。それが、「BAD SECTOR」です。日本語訳をすれば、「セクター不良」となります。

データを記録している領域の最小単位です。

この「セクター不良」が厄介なのは、普段よく利用しているフォルダやファイル上で起りやすいことです。所謂、経年劣化なのですが、古いハードディスクだけが起こりやすいのではなく、特定箇所だけを読み込んだり、書き込んでいると発生しやすい点です。

そのため、社内で共有しているフォルダやファイル、良く更新するデータベースで発生しやすいという特徴があります。

このような特徴は、ハードディスクだけに存在する問題ではなく、SSDなどのその他の記録メディアでも同様です。

つまり、ひとくちにデータ消失しといっても、その原因は複数存在することになります。

  1. ユーザーが誤ってデータを削除
  2. ユーザーが気が付かずにデータを削除
  3. ユーザーによる「チェックディスク」の手動実行
  4. OSによる「チェックディスク」の自動実行
  5. 「セクター不良」によるデータ消失

「初期化リカバリー」とは

「初期化リカバリー」とは厳密にいえば、パーテーションの変更やファイルシステムの変更を含む、OSの書き換え作業です。
尚、ここでは、OSの上書きだけを指す「リカバリー」を「初期化リカバリー」とします。

「初期化リカバリー」では、保存してあったデータ全ての目次を消去し、フォルダやファイルなども必要ないという前提でOSの書き換えが行われます。
そのため、このような危険な作業は管理者権限のあるユーザーに限定されています。

この「初期化リカバリー」では、「システムファイル」や「プログラム数」によっても、かなり違いますが、通常、4GBから20GBほどの領域を使用します。

そのため保存データが200GB以下の場合、復旧できる可能性は低くなります。
リカバリーで、20GBしか使用していないのに、何故、200GB以下の場合、復旧できる可能性が低くなるのかといえば、
データは部分的でも、欠損すると正常データではなくなるからです。

例えば、欠損した写真データの場合、下半分や上半分がグレーアウトして、記録映像が消えます。
グレーアウトしたファイルはパソコン上では、最悪、半分だけでも見えるかもしれません、印刷やデータ送信ができなくなるケースがほとんどです。

「初期化リカバリー」をしても、データは無事だと思っている楽観的なユーザーがいますが、そもそも、「初期化リカバリー」をする必要になった原因こそが問題なケースがほとんどです。

というのも、パソコンの調子が悪くなったり、フリーズしやすくなってしまった原因が「セクター不良」のケースがあるからです。

例えば、「セクター不良」が多発しているハードディスクのOSを「初期化リカバリー」した場合、データの上書きした程度が低くても、「セクター不良」の影響で、データが破損します。

「初期化リカバリー」を実行することでパソコンは使えるようになるかもしれませんが、「セクター不良」や「磁性体トラブル」を抱えたハードディスクでは、「初期化リカバリー」も途中でフリーズしたり、データも併せて破損するといった人為的な二次災害に発展しやすいので、安易に「初期化リカバリー」を推奨したり、実行したりすることは危険な行為といえます。

「データの削除」と「初期化リカバリー」最大の違い

では、「データの削除」と「初期化リカバリー」最大の違いとは何か?

それは、データのファイル名やフォルダ名などのデータが持つ周辺情報が残っているかどうかです。

「データ削除」の場合、目次だけが消失するので、データ本体はファイル名やフォルダ名などのデータが持つ周辺情報を保持したままです。

一方、「初期化リカバリー」の場合、目次だけではなく、ファイル名やフォルダ名などディレクトリー構造を含めて消失します。データ自体は存在していても、どこにあったデータなのか、何という名前のファイルだったのかをなどの周辺情報を含めて消失します。

「初期化リカバリー」した場合、データ復旧しても、拡張子毎にまとめて抽出するしか方法がないため、写真画像や動画データの場合には、サムネイル表示で確認可能ですが、音楽データやワード、エクセルなどのデータは1ファイル毎に手動で開きながら確認しなければならないため、
保存ファイル数によっては、復旧完了したデータであっても、ユーザーはデータファイルの確認作業が大変になります。

「初期化リカバリー」はデータの復旧率を下げるだけではなく、復旧後もユーザーが大変になってしまう危険な作業なのです。

そのため、ゴミ箱を経由せずに自動でデータを削除できるように設定したり、「初期化リカバリー」をすることは、安易には行っていけません。

よく知り合いにパソコンに詳しい人間がいて、「とりあえず初期化リカバリーを実行してみたら?」などと危険な道へ誘導されてしまうケースも多いため、注意が必要です。

「初期化リカバリー」するなら、その前にデータのバックアップをとっておくか、データのバックアップ作業もできない状態なら、何もせずに弊社データ復旧サービスにお問合せください。

もし今、パソコンがフリーズしやすくなっていたりしても「初期化リカバリー」を実行してしまう前なら、ファイル名やフォルダ名を含めて、元の状態で安全にデータ復旧ができる可能性が残っています。

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